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STartLE project 01

10m ×10m の折り紙!?
巨大折り鶴を作る

10m x 10m origami!
Making giant origami cranes

公開実施日 

2022.6.21    学生数名で折る

2022.6.4      一般の方々と折る

2022.6.7-8   展示・願いを書く

2022.8.6      展示・願いを書く

巨大な「折り」鶴で誰にどんな「祈り」をとどけますか?

祈りのカタチ

折り鶴は、江戸時代以降、「折り」鶴に、さまざまな「祈り」を込めてきました。

皆さんもこれまで、病気の方や平和のために、鶴を折った経験がおありなのではないでしょうか。

祈りの力は、その折り鶴の量によって増すのでしょうか。

日本ではたくさんの数…つまり千羽作ることで「祈り」が届くと信じられ、折られ続けてきました。

今回は、同じ量でも、数ではなく、大きさで届けようと思います。

今回のプロジェクトでは、10m×10mの巨大な折り紙をケント紙で作成し、折ることにしました。

折り終われば、高さ5mの巨大な鶴になります。

これだけ大きい鶴を折るためには、人間が身体全体を使って、中に入ったりして折っていきます。

ここまで大きくなれば、人工衛星にも映るかもしれません。

あの人に、あの国に。直接送らずとも「祈り」が届けられるならば…。
あなたはどんな祈りを込めますか?

 

Since the Edo period (1603-1868), folded paper cranes have been used to express various "prayers" to the people who "fold" them.

You have probably folded cranes for the sick or for peace.

Does the power of prayer increase with the amount of cranes folded?

In Japan, it is believed that the prayers of the people will be heard if a large number of cranes are made...in other words, a thousand cranes.

 

This time, we would like to deliver the same amount of cranes, not in number, but in size.

For this project, we have decided to create and fold a huge 10m x 10m piece of origami paper using Kent paper.

When folded, it will be a giant crane 5 meters high.

In order to fold such a large crane, a human being will have to use his or her entire body, including getting inside.

 

If it gets this big, it might even be seen by a satellite.

To that person, to that country. If we can deliver our "prayers" without sending them directly....
What kind of prayer would you put into it?

 折り鶴の起源ってどこにあるんだろうと色々調べてみたのですが、江戸時代にはすでに折り鶴の本が出ていただとか、元はといえば中国やスペインから伝わっただとか、いろんな説があるみたいです。「折って祈る」ってよく考えたら面白い文化ですよね。折っている時間は相手のことを想っているわけですから、健気な文化だなぁ、と思います。
 さて、このページを開いたあなたは、おそらく「おもしろいこと」「教育につながること」に興味がおありなのでしょう。ありがたいことに、折り鶴プロジェクトを知った学校の先生から、「うちの学校でやりたい!!」というお声をたくさん頂きました。ここからは、今回のプロジェクトの概要や必要な材料、学んだことや本音などを綴ります。このプロジェクトは完全体ではありません。ぜひ、あなたにもっといい方法を編み出していただきたいです。まとまりのない文章ですみません、まだまだ未熟な学部生ですので、お手柔らかにお願いいたします。

そうだ、折り鶴を大きくしてみよう​

 2022年3月。ふと、折り紙を折っていた時に、「もし私が3センチのこびとだったら、手のひらに収まるこの折り紙を折るのも大変なのかなー」とぼんやり考えていました。最初はただスケールの大きいことがしたい、という願望から始まりました。

 

 しかし、私は最初、折り紙を大きくするだけで面白い活動になるんだろうか。と不安がありました。だって折り紙の折り方は、誰かが既に発明している物ですし、これって創造的なのかなぁ…という思いもよぎりました。思いついたからには、失敗を恐れず実践です。

大きな材料たち

最初に、普段の折り紙より少し厚い模造紙5m×5mで挑戦。すると、ぺったんこ。。 かわいそうな仕上がりになってしまいました。​首どころか胴体も、支えなしでは自立しませんでした。

 当初、他の素材にしようかという話も出ました。でも、今回達成したいのは、大きな折り「紙」。面積が変わるなら厚さも変わるはず、と気づき、かなり硬い#200番の1250㎜×10m巻のケント紙ロールを使うことにしました。単純計算で行くと1250㎜×8で10mなので、ロール紙を全部伸ばして8枚つなぎ合わせれば10m×10mになりますが、貼り合わせるために5㎝ずつ重ねたので、全部で15㎝短くなってしまいます。その分は9本目のロール紙を足して、10m×10mになるように調節しました。

 部屋に入りきらないため、外での作業。強気な日差しが真っ白な紙に反射して、眩しくて目が開けられません。

 最初にボンドで貼ってみたのですが、乾きが遅いし、ボコボコになる。移動させる際に紙の重さでねちょねちょとはがれてしまいました。最終的に行き着いたのは紙用工作のり。しかし、これだけだとつなぎ目の重なった部分が目立ってしまうため、上から水張りテープを張りました。

 何度かトライしてみましたが、硬いケント紙でも折っている最中にかなり破れ、紙は引っ張りに弱いんだなと実感。また、折る際に紙の端で手が切れそうで怖いと感じたため、紙テープで周りの辺を覆いました。

 所要時間は、慣れていないこともあり8時間。様々なノウハウを積んできた今のSTartLEメンバーなら、3時間で終わらせられる自信があります。貼り終わった折り紙は大きくて、一人では持ち上げることができません。せーのの掛け声で、夜露を避けられる場所に移動します。
 

​鶴が立たない

 一番苦戦したのは、土台作り。紙のみで立たせることが理想でしたが、今の力では方法が思いつかず。様々な苦戦の末、4枚の木板に塩ビパイプを突き刺す形に落ち着きました。追加で材料が必要になっては、そのたびに何度も先輩に車を出してもらって、材料を買いに行きました。授業もある中で沢山の時間考え、提案してくださった仲間に大変感謝しております。

​みんなで折ろう!

“一人じゃ到底出来ませんでした。何しろ素材との関わりがまだまだ浅いので、計画通りには進みません。固定観念に囚われず、物理と戦いながら新しい方法を探っていきます。” 学生ブログより

​​

 鶴を立てた際に大きく風が吹いて、多少羽根の部分が揺れることはありましたが、頭と尻尾の部分は自立し続けていました。成功といえると思います。

 でも、ここまでしないと本当に立たないのでしょうか。今回はこの方法で自立させましたが、もっと安価で、安全で、いい方法があるのではないかと日々悩んでいます。

 2回目は子供たちと一緒に折りました。子供たちは、小さな鶴で折り方を確認しながら、「次はあっちを開いて、こっちに折って、、、」と考えます。私でも大きいと感じるのに、お子さんからしたらどれほど巨大な白い世界が広がっているのでしょう。紙のあっち側にいる人の声は、紙のガサガサ、ゴゴゴゴゴという音にかき消されます。自分の声も、なんだか変に聞こえます。折るときは全身を使って、破れないように、でも力強く。紙の中に潜ると、あれ?今自分はどこにいるんだろう。あ、太陽が見えた!真っ白い世界で目を慣らしていると、だんだんと折る部分が見えるようになってきます。初めて会った友達の合図もわかるようになってきます。

 通りがかった方や学校のみなさんにも願いを書いてもらいます。

 学校での展示の際、試行錯誤を知っている方からは「すごいね!綺麗に立ったね!」という声を頂いたり、教室の窓や廊下から「なんだろうアレ?」と興味をもって頂いたり、様々な反応をいただきました。

 

 友達と一緒にいらした方、私はこんなこと書いたよ、と見せ合っていました。鶴の周りが夢の共有の場になっていました。それぞれの目標や祈りが垣間見えます。入れ替わり立ち替わり、いろんな人に出会った鶴。最初よりたくましく見えます。(破れたボディには傷のお手当がかなり入っています笑)

 今回のプロジェクトで、大きい紙はどうやったら手に入るのか、自立させるためにはどんな素材でどこを支えないといけないのか、お金は誰が出すのか、人はどうやったら集まるのか、いつまでに何を終わらせればいいのか…。「折り鶴を折る」というと簡単そうに聞こえますが、実際やってみると本当にたくさんの知識や体力が必要でした。多くの先生方、学生さんたちに興味を持っていただき本当に感謝いたします。

 

 これからも人のこころを動かす大きなことに挑戦していきます。

​清田哲男研究室ブログにて、折り鶴プロジェクトの大変だったこと、これから考えていくことを詳細につづっています。

5月から6月の折り鶴に関わる活動をぜひご覧ください。
岡山大学 清田哲男研究室ブログ​(https://kiyota-bijutsu-lab.themedia.jp/)

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