

木を飾る、着飾る。
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キカザル1週間展
STartLE project 03
本館北西側 2022.7.24~8.3 制作
岡山大学の木々に服を着せて、着飾る(木飾る)という展示です。
全部で27本の木々を飾り、岡山大学に不思議な光景が広がりました。


派手にドレスアップした木々は学内の人たちの目を惹きますが、木を飾る行為は、木から本来の「個性」を見えなくするために行いました。


キカザルで「個性」を考える
個性的ってどういうこと?
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「個性」とはその人・物だけにそなわった特有の性格や性質のことを言います。「個性」はその人の生き方そのものであり、わざと変わったことをしたり、奇抜に着飾ったりすることだと考えている人も少なくないでしょう。それも個性の一つではありますが本来の「個性」は私たちそのものの生き方に関わる重要なものです。幹をカラフルに彩った木たちは一見個性的なようですが、カラフルな服は木の一本一本に特有の表面の凹凸、枝の伸び方や質感を覆い隠し没個性な存在に変わります。



木の表面の凹凸や質感が覆い隠されてしまいます。
この服があるときとないときでは木の個性の見え方が変わって見えるでしょう。
私たち人間の「個性」を考える

私たち人間はどうでしょうか。内面、外面含めた、本当の自分自身の姿を、服を着ることで隠していないでしょうか。着「飾る」ことで、自分の素直な姿勢、感じ方を、流行やファッションの名のもとに表現できずにいるのではないでしょうか。木を様々な色の布や素材で包み、服を着ているように見せることを通して、本来の木とは何か、木の個性とは何かの思考を誘発します。そして、木を考えることから、同じ生命体である人間とは何か、人間の個性とは何かを考えてほしいと考えます。
そもそも人間にとって、服を着ない、裸の姿が最も個性的な姿であったとしても、永い社会生活の営みの中で、多くの人は、その姿を「個性」として受け止めることができなくなってしまいました。しかし、我々人間が木と異なるのは、身体が覆い隠されていてもその個性を運動で表現できるということです。話す運動、走る運動、歌う運動、絵を描く運動、食べる運動、これらの運動こそが私たち人間の個性そのものを指すのです。
制作プロセス

今回、木を飾るものはカラービニールで制作しました。
カラービニールを短冊状に切り、セロハンテープで5メートルほどの長さにつなげて細長い帯を作ります。
カラービニールにした理由は発色がよく、遠目から見ると木の表面を覆い隠してくれることと、木の近くに行くと木の表面が透けて見えるからです。
その後木にぐるぐると巻いていきます。上から下まで巻き終わったら、水が溜まらないようにビニールに小さい穴をあけていき、完成です。

